ResolveAX活用の基礎|第10回
ResolveAXを導入するときは、表示できる項目の確認と同時に、誰が情報を使い、どの業務を改善したいかを決めます。対象と運用を整理してから試行すると、効果と不足点を判断しやすくなります。
1. 目的を一つの業務課題にする
「音声品質を良くする」だけでは評価が曖昧です。対象通話を探す時間を短くしたい、始業前の問題を見つけたい、本人の対処を支援したいなど、困っている作業を具体化します。
導入前の記録を集め、問い合わせから情報収集、対処、復帰までのどこに時間がかかるかを見ます。計測の開始点と終了点も決めておきます。

2. 対象環境の組み合わせを確認する
コンタクトセンター基盤、OS、ブラウザー、端末管理方式、音声機器、在宅・拠点の接続を整理します。代表的な一台だけでなく、実際に使う組み合わせで適用条件を確認します。
対応範囲、導入・更新方法、取得できる項目、情報が欠ける条件を確認します。共用端末や担当者の交代がある場合は、記録が誰の業務に対応するかも検証します。
| 準備項目 | 決める内容 |
|---|---|
| 対象 | 端末・拠点・利用基盤 |
| 運用 | 通知先・初動・引き継ぎ |
| 情報 | 取得範囲・権限・保存 |
| 評価 | 導入前の基準と比較方法 |
3. 情報の扱いと担当を決める
取得項目、保存期間、閲覧者、外部への提供手順を整理します。担当者にも、品質改善のために何を取得し、問い合わせ時に何を伝えるかを説明します。
管理者とIT担当が見る情報は、目的に合わせて設計します。ログを保管するだけで終わらず、通知から対応、再確認までの責任を決めます。
調査時に必要な情報は、通話トラブルの記録と共有範囲を決めたうえで管理してください。
4. 少人数で一連の運用を試す
通常時の観測に加え、許可された試験条件で、通知、本人の確認、ITへの引き継ぎを試します。実際のお客様との通話を意図的に悪化させる必要はありません。
試行では見つかった問題だけでなく、取得できなかった項目や使いにくい手順も記録します。機能の不足と運用設計の不足を分けて改善します。
運用開始前の確認項目は、始業前チェックの設計を参考に具体化できます。
5. 効果は同じ条件で比較する
問い合わせ件数だけでは、稼働人数や通話量が減った影響を除けません。一定の通話数あたりの申告や、案件ごとの情報収集時間など、比較条件をそろえて見ます。
ベンダーの導入事例の削減率を、そのまま自社の目標や保証値にしないことが重要です。得られた時間短縮と、設定・教育・保守の負担を合わせて継続判断します。
6. 具体例で確認する
以下は説明のための仮想例です。
試行の目標を「問い合わせ後、調査に必要な情報をそろえるまでの時間」と定めた場合、受付時刻と情報がそろった時刻を記録します。案件の難しさも分け、単純な設定確認と複雑な断続障害を一緒に平均しないようにします。時間が短くなっても再問い合わせが増えていないかを確認すると、早さと対応品質の両方を評価できます。
参考資料とご相談
本記事で参照した資料:Cyara公式資料。本記事の手順や表は運用・試験設計の例です。利用できる項目や連携は導入構成に合わせて確認してください。
端末・接続環境・通話時刻と症状から観測範囲を整理する際は、ResolveAXによるエージェント環境の品質分析をご覧ください。担当者環境の通話品質調査を相談するから、自社の構成に合わせた確認範囲をご相談いただけます。