ResolveAX活用の基礎|第9回
PulseとResolveAXは、どちらも電話品質の問題に気づくために使われます。ただし、主な観測の方法と対象が異なります。選定時は「何を知りたいか」を先に決めると、自社に必要な確認範囲を整理しやすくなります。
1. Pulseはテスト経路を使って確認する
Pulseによる電話監視では、用意したテストコールで案内や応答、経路を定期的に確認します。実際のお客様から申告が来る前に、定めた条件の電話サービスを試せることが特徴です。
確認できるのは実行した経路と項目です。案内だけを聞いて終了するテストと、受け側まで到達するテストでは、分かる範囲が異なります。
顧客側の経路を定期的に確認する仕組みは、定期テストコールによる外形監視で説明しています。

2. ResolveAXは担当者環境の状態を見る
ResolveAXは担当者側の環境やライブ通話に関する情報を調査へ活用する位置づけです。端末、接続、品質情報を症状と合わせ、特定の担当者で起きる問題を考える手掛かりにします。
対応している端末・通話構成と、取得できる情報を確認する必要があります。導入していない端末や観測外の区間まで、同じ深さで見えるわけではありません。
担当者側で取得する情報については、担当者環境の品質を確認する方法も参考になります。
| 知りたいこと | 主な確認の視点 |
|---|---|
| 案内や経路が想定どおりか | Pulseのテストシナリオ |
| 担当者環境に変化があるか | ResolveAXの観測情報 |
| 原因装置や設定は何か | 各種記録を合わせた追加調査 |
3. 知りたい問題から選ぶ
「代表番号の休日案内が正しいか」を知りたいなら、その案内へ進むテストシナリオが必要です。「在宅担当者の通話が午後だけ悪化する」を調べたいなら、該当通話と環境の情報が重要になります。
電話番号の確認を増やすだけで端末状態が分かるわけではなく、端末情報だけでIVRの全分岐が正しいと判断することもできません。問いと観測方法を対応づけます。
4. 両方の結果が食い違うとき
テストコールは正常でも、特定の担当者だけ問題が起きることがあります。反対に、担当者側の観測に変化がなくても、電話案内が誤っている場合があります。
食い違いは矛盾とは限りません。発信条件、時刻、到達先、対象端末の違いを調べ、同じ事象を見ているか確かめます。
5. 併用時は共通の記録を決める
番号・業務名・時刻・変更情報をそろえると、異なる観測を照合しやすくなります。ただし、両製品の結果が自動的に結合されると仮定せず、利用構成の連携方法を確認します。
必要な範囲から導入し、機器監視やお客様からの申告とも組み合わせます。二つの視点で問題候補を絞り、適切な担当者が調査を進められる運用を目指します。
6. 具体例で確認する
以下は説明のための仮想例です。
代表番号へのテストは正常でも、在宅担当者の一人が通話の途切れを申告したとします。まずテストの到達先と実際の担当者が同じかを見ます。違う受け側であれば、結果が異なっても不思議ではありません。テスト側の正常結果を根拠に申告を否定せず、該当する担当者の環境と通話の記録を調べます。
参考資料とご相談
本記事で参照した資料:Cyara公式資料。あわせて関連する公式情報をご覧ください。本記事の手順や表は運用・試験設計の例です。利用できる項目や連携は導入構成に合わせて確認してください。
顧客側の経路を定期的に確かめるPulseの外形監視と、担当者側の状態を調べるResolveAXの品質分析は、確認する範囲が異なります。必要な観測範囲を整理してご検討ください。監視する電話番号・経路と運用体制を相談するから、自社の構成に合わせた確認範囲をご相談いただけます。