Velocity活用の基礎|第5回
手動の電話試験をすべて一度に自動化しようとすると、準備や保守の負担が大きくなります。Velocityを導入する場合も、繰り返しが多く、期待結果が明確な経路を選ぶことから始めると、効果を確かめながら広げられます。
1. 今の作業時間を分解する
発信して案内を聞く時間だけでなく、データ準備、結果記録、失敗の調査、再試験の時間も記録します。どこを自動化すると負担が減るかを明確にするためです。
実行時間は短くなっても、結果の確認に毎回長時間かかるなら改善は限定的です。最初に評価する工程全体をそろえます。

2. 最初の経路を選ぶ
毎回確認する代表的な問い合わせや、案内変更の影響を受けやすい経路を候補にします。期待結果が曖昧なものや、試験データを用意できないものは、先に前提を整理します。
自動化しやすいだけの経路より、業務上重要で繰り返し使う経路を優先します。初回は規模を絞り、準備から判定まで一通り試せることを重視します。
| 候補の条件 | 理由 |
|---|---|
| 繰り返しが多い | 再利用の効果を確認しやすい |
| 判定が明確 | 結果の確認を標準化できる |
| 試験データを準備できる | 同じ条件で実行できる |
3. 手順を他の人が再現できる形にする
熟練者が無意識に行う待ち方や、音声の聞き分けを言葉にします。「いつもの案内なら合格」ではなく、確認する内容と許容する違いを明確にします。
必要な入力、待ち条件、終了条件、試験データを一組にします。手順が曖昧なまま設定すると、実行のたびに担当者の判断が必要になります。
手動で判断していた内容を具体化するには、電話試験の期待結果の作り方も参考になります。
4. 並行確認で判定のずれを見る
初期の試行では、手動確認と自動試験の結果を同じ条件で比較します。違いが出たら、期待結果、入力タイミング、データ、対象環境のどこが違うかを調べます。
一度成功しただけで運用を切り替えず、変更や失敗が起きたときに結果を読めるかも確かめます。これは一般的な導入手順で、製品の自動移行機能を示すものではありません。
5. 保守を含めて効果を判断する
Velocityの導入支援資料でも、ワークフローへの組み込みが扱われています。自社でも、ケースを誰が更新し、失敗を誰が調べるかを決めます。
対象を増やす前に、準備・実行・判定・保守の合計時間を確認します。自動化した件数だけでなく、繰り返し使える試験として定着したかを評価してください。
試行の対象や評価基準は、Velocity導入準備と試行評価で整理できます。
6. 具体例で確認する
以下は説明のための仮想例です。
毎週同じ案内確認を行うチームなら、まず代表的な一経路だけを対象にします。手動でかかった準備・実行・記録の時間と、自動化後の設定保守・実行・判定の時間を比べます。初回の作成工数と毎回の運用工数は分けて記録してください。試行が安定したら、条件が似た別の経路へ展開します。
参考資料とご相談
本記事で参照した資料:Cyara公式資料。本記事の手順や表は運用・試験設計の例です。利用できる項目や連携は導入構成に合わせて確認してください。
コールフローの棚卸しと期待結果の整理から始める際は、VelocityによるIVRの機能・回帰試験をご覧ください。IVR・連携システムの試験自動化を相談するから、自社の構成に合わせた確認範囲をご相談いただけます。