Velocity活用の基礎|第6回
自動試験を実行できても、何を合格とするかが曖昧なら結果を信頼できません。Velocityで電話試験を設計する際は、案内の内容、操作への応答、到達先を、それぞれ判定できる形にします。ここでは期待結果を作る基本を説明します。
1. 案内の存在と内容を分ける
音声が再生されたことと、正しい内容が流れたことは別です。業務上必要な文言、案内の順番、言語、時間外の扱いなどを要件から整理します。
金額や日付のように変わる情報は、試験データから期待する値を決めます。変動する部分をすべて無視すると、重要な案内の誤りを見逃す可能性があります。

2. 時間の開始点と終了点を決める
発信から応答まで、番号入力から次の案内まで、転送開始から受け側の応答まででは、測る時間が違います。「応答が遅い」という表現を、どの区間の条件かに置き換えます。
許容する時間は業務要件と実環境をもとに決めます。特定の秒数をすべての窓口へ一律に適用せず、通常のばらつきと、利用者が待てる条件を照合します。
| 確認対象 | 期待結果に含める内容 |
|---|---|
| 案内 | 固定文言と変動する値 |
| 時間 | 測定区間と許容条件 |
| 転送 | 到達先と確認方法 |
| 例外 | 再案内・終了・引き継ぎ |
3. 転送先への到達を確かめる
呼出音が聞こえたことだけで、正しい窓口へ届いたとは判断できません。試験用の受け側が返す識別可能な応答など、到達を確認する方法を設計します。
受け側の対応範囲や必要な連携は導入構成で確認します。試験用窓口を使う場合は、本番と共通の区間と違う区間を明記します。
4. 例外の結果も定義する
入力なし、不正な入力、認証不成立、外部処理のタイムアウトなど、想定する例外の動作を決めます。必ず正常終了させるのではなく、適切な再案内や終了も合格条件になる場合があります。
例外の試験は、合意した試験環境やデータで行います。障害を実業務へ与えずに、必要な分岐を再現する方法を準備します。
判定の前提になる入力や分岐は、IVR入力・分岐のテスト設計も参考に定義します。
5. 判定方法の適用範囲を確認する
CyaraのIVR試験向け研修資料は、ケース作成から実行・分析までを扱っています。実際の設定では、利用できる照合方法や時間条件を確認し、要件に合う判定を選びます。
失敗が多いからといって条件を緩めるのではなく、正しい要件、測定条件、試験データを順に確認します。判定条件の変更もレビュー対象として履歴を残します。
不合格の結果を調べる際は、自動試験が失敗したときの切り分けで、対象システムと試験側の問題を分けます。
6. 具体例で確認する
以下は説明のための仮想例です。
「本日の受付は終了しました」という案内を試験する例では、正しい時間帯に流れること、必要な案内内容が含まれること、その後の終了動作を別々に確認します。何か音が流れたことだけでは合格にしません。休日と平日の時間外で案内が違う場合は、前提となるカレンダーと期待結果も別に用意します。
参考資料とご相談
本記事で参照した資料:Cyara公式資料。本記事の手順や表は運用・試験設計の例です。利用できる項目や連携は導入構成に合わせて確認してください。
コールフローの棚卸しと期待結果の整理から始める際は、VelocityによるIVRの機能・回帰試験をご覧ください。IVR・連携システムの試験自動化を相談するから、自社の構成に合わせた確認範囲をご相談いただけます。